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インストラクショナルデザインへの誘い(チャプター7)

講師:鈴木 克明(熊本大学)
実施日:2016.08.09 全103分 視聴数:3540回

講義の概要

インストラクショナルデザインは、大学教育・大学院教育や社員・職員研修等において、最適な効果をあげることを目的とした教育・研修プロセスの設計であり、学習者の学習への取組を促進するための意図的な仕掛けです。インストラクショナルデザインの3要素といわれる「学習目標」「評価方法」「教育内容」を首尾一貫したものとして計画し、成果の見える学習環境をデザインするにはどのようにすればよいでしょうか。日本におけるインストラクショナルデザインの第一人者、鈴木克明熊本大学教授(大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻)を講師としてお迎えし、インストラクショナルデザインの基本的な考え方、実践的なデザインのプロセスについて、講義とワークショップを通して学びます。

チャプター7:「効果」を高めるマイクロ設計

チャプター7では、インストラクショナルデザインの始祖の一人であるガニェの「9教授事象」について述べています。
9教授事象は、学びのプロセスを助ける枠組みです。つまり、頭の中で学びが起きる時には、必ず情報処理がなされ、どの段階をどう支援するかと考えれば、授業ですべきことが浮かび上がってくるのです。
9教授事象は、導入として、学習者の頭にはいるように注意を獲得し、(事象1)、学習者に目標を知らせることで学習に集中させ(事象2)、これまでの関連事項や前提事項を思い出させ(事象3)ます。ここで、新しい情報を提示する(事象4)し、学習の指針として思い出した情報との関連性を意味のあるものとして捉えます(事象5)。そして、身についたかどうかを確認するための練習の機会を与え(事象6)、それにフィードバックを与えながら誤りを修正します(事象7)。最後に練習とは区切って学習の成果を評価し(事象8)、さらに保持と転移を高めるために忘れた頃に再度復習の機会を設けます(事象9)。
自身の講義を改善するに当たり、これらの事象に立ち返り、自分の講義には何が入って、何が入っていないかを点検することが必要です。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成