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学生理解と学生発達(チャプター1)

講師:岡田 有司(東北大学)
実施日:2017.09.23 全84分 視聴数:4909回

講義の概要

学生は,正課・正課外を含む大学生活を通じて様々な側面で発達していきます。海外では大学生の発達に関する諸理論が存在し,実証的な研究も蓄積されています。他方,国内には大学生活を通じた発達という視点での研究は少なく,近年実施されるようになった学生調査を中心に現在研究が進められている状況にあります。そこで,本セミナーではまず,こうした学生調査の知見も踏まえながら学生がどのように発達していくのかについて理解を深めます。
また,学習者中心の大学教育の重要性が指摘され,国内でもかかる視点からの改革が進められようとしています。しかし,現状の大学教育には必ずしも学生側の発達的ニーズが十分に反映されていない面があります。本セミナーでは,学生の発達的ニーズという視点から,大学教育における課題について考えていきます。

チャプター1:汎用的能力の重視

チャプター1では、近年さまざまなところで重視されるようになってきた「汎用的能力」について紹介しています。
1990年代以降、国内外でさまざまな「新しい能力」が提唱されるようになってきました。その背景には、グローバル化、知識基盤社会化によって複雑化・高度化する社会からの要請への対応があります。新しい能力には、「対課題能力」「対人能力」「対自己能力」の3つの側面があり、認知的な能力から人格の深部にまでおよぶ人間の全体的な能力を含んでいることから、「汎用的能力」とも言われています。
汎用的能力を身に付けることが教育目標や評価対象として位置付けられ、教育産業においても汎用的能力を測定するツールの開発が行われ、導入している大学も増えています。
大学教育が大学生の発達にどう関連しているのか、海外ではよく研究が行われており、さまざまな側面で大学生は発達を遂げていることが、研究に基づき理論化されています。

カテゴリ: 学生支援力形成