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学生理解と学生発達(チャプター3)

講師:岡田 有司(東北大学)
実施日:2017.09.23 全84分 視聴数:1387回

講義の概要

学生は,正課・正課外を含む大学生活を通じて様々な側面で発達していきます。海外では大学生の発達に関する諸理論が存在し,実証的な研究も蓄積されています。他方,国内には大学生活を通じた発達という視点での研究は少なく,近年実施されるようになった学生調査を中心に現在研究が進められている状況にあります。そこで,本セミナーではまず,こうした学生調査の知見も踏まえながら学生がどのように発達していくのかについて理解を深めます。
また,学習者中心の大学教育の重要性が指摘され,国内でもかかる視点からの改革が進められようとしています。しかし,現状の大学教育には必ずしも学生側の発達的ニーズが十分に反映されていない面があります。本セミナーでは,学生の発達的ニーズという視点から,大学教育における課題について考えていきます。

チャプター3:学習成果研究からの知見

チャプター3では、国内での学習成果研究から得られた知見について紹介しています。
国内での学習成果研究では、学生は、大学卒業時に規範的な行動や基本的なPCスキル、専門知識や技能を身に付けている反面、外国語運用能力やリーダーシップはあまり身に付けていないと感じているようです。
どうしたら学生の学習成果に介入できるのか、大学としてその規定要因を探っていくことは重要です。調査から見えてきたのは、学習成果にとって重要なのは、授業経験よりも学習態度の方だということ。これは、アクティブラーニングなどをどんなに増やしても、学習態度が変わらなければ学習成果の向上には結びつかないことを示しています。
学習成果を測定することによって、学生がどう発達しているのか、どんな課題を抱えているのかが把握でき、教育改善に役立てることができます。ただし、測定方法のメリット・デメリットを理解した上で結果を解釈することが必要です。

カテゴリ: 学生支援力形成