本取組の組織性
(1)取組の意義・価値観を構成員が共有するための工夫
取組実施に当たっては、学部・研究科及び研究所等からの委員で構成する学務審議会のもと、同審議会に設置されている基礎ゼミ委員会が必要な企画・調整を行い、学内の全局部に通達され全学的支援体制のもとで実施されている。
課題(テーマ)の担当責任者の所属は学内の全部局にわたっており、受講学生数は所属学部に無関係に上限20名と設定している。所属学部が異なる学生同士が学びを共にする体制をとり、6〜9学部の学生によってクラスが編制されている例も多く見られる。授業の実施形態は、演習、実験、実習、野外調査、見学など多彩で、集中講義型の中にはセミナーセンター等で合宿する例もある。
基礎ゼミ課題例 (平成18年度)
課題名 | 担当者 | 学部数 | 形態 |
---|---|---|---|
人類と病原微生物との攻防 | 医 | 9 | 実習 |
環境と化学 | 名誉教授 | 8 | 実験 |
自分のルーツを探る | 東北アジア | 8 | 調査 |
白血病及びリウマチを知る | 病院 | 8 | 実習 |
くすりを知る | 薬 | 7 | 実験 |
生と死の境界を歩く | 文 | 7 | 野外 |
25年後わたし達は何を食べているか | 生命科学 | 7 | 演習 |
来たるべき宮城県沖地震に備えて | 工 | 6 | 演習 |
授業プランをつくろう | 教 | 6 | 合宿 |
大地のうごきをさぐる | 理 | 6 | 実験 |
(2)取組への教員・学生の関与
現在基礎ゼミは5学部で必修科目、残り5学部では選択必修科目となっているが、実際は学生の殆ど全員が履修している。平成18年度の受講者は初年次学生2,527名、その他23名の計2,550名であった。受講しなかった学生は既修得者・休学者など5名を除けば僅か6名にとどまった。授業は154クラス(テーマ)であり、このうち10テーマは名誉教授が、144テーマは学内26部局等に所属する教員が担当した。複数の教員が担当するクラスもあり、実質的な授業担当教員は200名を越えた。
取組への参加者(平成18年度)
- 開講数:154クラス(課題)
- 受講者:2,550名(1年次学生ほぼ全員)
1年生 2,527名、その他 23名:計2,550名 受講希望なし 6名、既修得・休学等 5名 - 学部横断型クラス編成
9学部 4クラス、8学部 7クラス、7学部 16クラス、6学部 31クラス、 5学部 26クラス、4学部 35クラス
- 担当教員:200名 全学部・研究科、研究所、研究センター病院、名誉教授
- TA:大学院学生
- 事務職員
(3)取組に対する学内支援体制
基礎ゼミ担当予定者を対象とする教員研修FDは毎年実施されている。
研修内容は全学教育と基礎ゼミ実施の目的再確認、担当経験者による事例紹介、学生相談所カウンセラーによる学生指導上の留意点など多岐にわたる。