5本取組の有効性

(1)教育上の効果

東北大学ではすべての授業科目を対象にしたアンケート調査をセメスター毎に実施し、結果を各担当に送付している。教員は調査結果に対するコメントや授業改善案を提出し、授業改善の機会として役立てている。

[学生による授業評価]

図から、基礎ゼミ受講学生の反応が全体平均の値より総合的に上回っていることが分かる。受動的「受験学習」から能動的な「大学での学び」への意識転換が見てとれる。実際、基礎ゼミは所属学部とは関係なくいずれの学部生からも高い評価を得ている。9割近い学生が「興味を持てた」と回答し、8割を超える学生が「非常に良い」あるいは「良い」の総合的評価をするだけの教育効果をもたらしている。

15年度アンケート
16年度アンケート

[担当教員アンケート]ー教員からの感想ー

担当経験
  • 文系、理系の混合クラスは有意義
  • 学生の主体的な取組姿勢は予想以上
  • TAの院生が積極的に関わり、教育効果は大
  • 新入生の積極姿勢から、教育の面白さを再確認
  • 授業の工夫次第で成果が上がることを実感
  • 学生の主体的な学習を支援することの意義を確認

授業担当教員に実施したアンケートからは、学生の主体性を実感し、工夫次第で教育効果があがることを確信したといった回答が多数よせられている。

[他授業への波及効果]

基礎ゼミにおける多彩な工夫・改革の実践は、他の授業科目の改善にも波及する効果をもたらしている。

例えば平成13年度の試行段階に開講した水原克敏教授担当の「自分ゼミ」は、受講希望者が71名にのぼったが、受講上限の20名に絞ることなくTAの活用とグループ学習を取り入れることで実施され、学生達の高い評価を得た。

この結果は、大規模クラス・総合科目での多人数を対象とした授業においても、学生の主体性を引き出す授業としての試金石となったばかりではなく、基礎ゼミの課題研究を活かした履修学生によるボランティアの実践にも波及した。さらに基礎ゼミはTAに「大学での学び」の再認識を促し、後輩学生との交流を通じて指導能力の向上実感を与えるなど、教育資質の向上に影響を与えた。

基礎ゼミを起点とした「学びの転換」の取組は学生・教員・TAの三者による実践であり、これは「指導的人材の育成」を実現するための基盤を形成している。

(2)教育効果の測定方法

教育効果測定の多元的な評価方法とフィードバック

【学生による授業評価アンケート】
担当教員へのフィードバック、改善策の提示
【担当教員アンケート】
合宿、実習等に対する経費補助措置へ
【TAアンケート】
TA事前研修と授業補助担当の自己評価
【「専門と異なる分野を学ぶ意義」調査】
新たな科目「文系向け自然科学総合実験」開講へ
【全学教育カリキュラムアンケート】
全科目の中で果たす基礎ゼミの先導的成果を確認