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日本の科学研究力失速の現状とその要因(チャプター6)

講師:豊田 長康(鈴鹿医療科学大学・三重大学名誉教授)
実施日:2021.08.07 全84分 視聴数:255回

講義の概要

大学の研究教育力を反映する論文数は、経済成長の原動力であるイノベーション力と密接に関係します。しかしながら長らく「選択と集中」を進めてきた結果、日本の論文数は惨憺たる状況にまで低迷したのが実態です。研究教育力の充実には、研究時間を確保した研究従事者数および大学研究資金の確保が必須であり、競争力ある大学の層を分厚くする必要があります。日本の科学研究力失速の現状とその要因を明らかにし、今後の日本の取るべき方策について検討します。

チャプター6:日本の科学研究力失速の原因(1)

チャプター6では、日本の科学研究力が失速した原因について、さまざまなデータから検討しています。
日本の科学研究力が失速した最大の原因は、大学への基盤的資金の削減に伴う研究従事者数の減少、研究時間の短縮および基礎研究資金の減少にもとづく研究環境の悪化と研究者層の希薄化にあると考えます。
先進国に比べ大学間傾斜が急峻で、研究者の層が薄すぎる日本の現状では、「選択と集中」や「成果指標に基づく資源傾斜配分(メリハリ)」等の政策の効果は期待できず、さらなる研究環境の悪化と研究者層の希薄化を招き、国際競争力が低下する恐れがあります。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成