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認知科学と学習の原理・応用(チャプター2)

講師:佐伯 胖(信濃教育会教育研究所長,東京大学名誉教授)
実施日:2013.10.08 全82分 視聴数:2219回

講義の概要

私たち人間は,家庭・学校・社会でさまざまな知識・技能を学び続けています。学校でよく学び,知識・技能をよく習得して深め,大学教員となり,新しい知識を創造し,その成果を学生に教える人々もいます。学習はあらゆる場面で行われていますが,教師も学生も,「人間の学習はどのような特徴があり,どのような方法をとると効果的に学べるのか」,あるいは,「どのような教育方法をとると,学習が効果的に進むのか」について,ほとんど知識がないままに行われています。特に,大学教員は勉強好きで,専門分野の思考形式や知識習得を容易に行ってきたために,簡単に新しい事実を呑み込めない学生の気持ちに気が付かないことが多いといえます。効果的な大学教育と学習を行うために,教員と学生にとって,認知科学は,はじめの一歩です。認知科学の第一人者である佐伯胖氏から,人間の学習はどう進むかについて学びます。

チャプター2:行動主義による教育

チャプター2では、かつて心理学の世界で主流だった「行動主義」心理学を紹介しています。ワトソンが主張した「行動主義」では、心理学が科学になるには、観察できる行動だけを対象に研究すべきだと考えました。そのもととなったのが、パブロフの条件付けであり、条件付けによって刺激と反応が新しく結び付くことが学習であると考えました。それを踏まえ、スキナーは学習の「科学的法則」を確立、「教育」は「目標行動の達成」のための最適化方略であり、法則に従って教育すれば、効率的に知識の伝達ができると主張しました。
その後、人間も動物も行動主義的に学習しているわけではないということが実験で示され、行動主義は破綻していきます。学習とは、刺激と反応の機械的な連合形成ではなく、本人自身が「こうかな?」と思い始めていることについて、「そうだ!」とわかっていく過程だという考え方が生まれました。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成