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認知科学と学習の原理・応用(チャプター5)

講師:佐伯 胖(信濃教育会教育研究所長,東京大学名誉教授)
実施日:2013.10.08 全82分 視聴数:2001回

講義の概要

私たち人間は,家庭・学校・社会でさまざまな知識・技能を学び続けています。学校でよく学び,知識・技能をよく習得して深め,大学教員となり,新しい知識を創造し,その成果を学生に教える人々もいます。学習はあらゆる場面で行われていますが,教師も学生も,「人間の学習はどのような特徴があり,どのような方法をとると効果的に学べるのか」,あるいは,「どのような教育方法をとると,学習が効果的に進むのか」について,ほとんど知識がないままに行われています。特に,大学教員は勉強好きで,専門分野の思考形式や知識習得を容易に行ってきたために,簡単に新しい事実を呑み込めない学生の気持ちに気が付かないことが多いといえます。効果的な大学教育と学習を行うために,教員と学生にとって,認知科学は,はじめの一歩です。認知科学の第一人者である佐伯胖氏から,人間の学習はどう進むかについて学びます。

チャプター5:共感とYOU的かかわり

チャプター5では、正統的周辺参加論の限界を検討し、共感性ということに訴えなければ参加は生まれないという佐伯理論(ドーナツ論)を紹介しています。参加ということがなければ学びは生まれないというのは、正統的周辺参加論の理論的限界です。参加という状態を教育の中に生み出すためにどうするか、それが私のドーナツ論です。
ドーナツ論で重要なのが、YOU的なかかわりをつくるということです。それは共同注視関係、つまり相手の見ているものを一緒に見るということ。そこから共感性は生まれます。YOU的まなざしが欠落すると、「ねばならぬ」「べきである」ということで、学習を動機づけようとします。しかし、これは本当の動機付けにはなりません。
学習には共感的な場が絶対に必要です。ご自分のゼミの学生のことを考えて、横にいて、そうか、そういうことに気がついたか、いいねといった関係を持ったかどうか、それが非常に重要です。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成