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歴史から見た大学:中世から現代まで(チャプター2)

講師:寺﨑 昌男(立教学院)
実施日:2013.09.01 全132分 視聴数:2235回

講義の概要

「過去を学び,現在を知り,未来を創造する」(Creating the Future of Faculty Development Learning From the Past, Understanding the Present)とは,アメリカの大学教育開発に大きな影響を与えたマリー・ソルチネッリらの著書の表題です。90年代から,様々な大学改革の制度が導入されてきました。大学設置基準の大綱化,大学評価,任期制,国立大学法人化,学士力,3つのディプロマポリシーなど,あまりにも多くの改革論が流布し,大学人は振り回されがちです。大学を真によくするためには,過去を理解することで大学の現在を知り,大学の未来を展望することが重要です。アメリカの高等教育に関する大学院プログラムでは,高等教育の歴史が重視され,大学教員の身につけるべき素養としても筆頭に掲げられているのは当然のことと言えましょう。
本動画では,日本における大学史研究のパイオニアであり,日本教育学会長・教育史学会代表理事・大学教育学会長を歴任し,大学教育の研究と実践に半世紀にわたって大きな足跡を残している寺﨑昌男氏(東京大学名誉教授)を囲む座談会形式で,歴史の視点から大学のあり方を学びます。

チャプター2:学制のヒエラルヒー

チャプター2では、1886年の帝国大学令発布から1903年の専門学校令発布までの歴史を紹介しています。
1886年の帝国大学令発布から1903年専門学校令発布までは、学校ヒエラルヒーが形成された時代といえます。「大学は国家のためにある」という考えのもと、学校ピラミッドの頂点として東京帝国大学を創立し、国家原理からの距離によって学校の序列が決められました。学校のステータスは、官立校が高く私立校が低い「官高私低」。また、当時社会的地位の低かった女性が通う女子学校は、学校ピラミッドの最下部に位置付けられました。この時期に、出身校、さらには男女によりその後の人生が決まる学歴社会の第一段階が成立しました。
日本の高等教育制度が確立した時代であると同時に、多くの問題を残した時代といえるでしょう。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成