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学習効果を高めるICTの活用法 ~反転授業も含めた授業設計~(チャプター2)

講師:向後 千春(早稲田大学)
実施日:2014.11.17 全29分 視聴数:6250回

講義の概要

ICT(情報通信技術)におけるイノベーションは社会の高度情報化を可能にし、例えば小さなスマートフォンやタブレットから即時に大量の情報にアクセスできようになり、我々の日常生活に流通する情報量が大きく変化しています。
こうしたICTの発達は、大学教育にも歴史的変化をもたらしつつあります。ここ数年で、大規模公開オンライン講座(MOOCs)が国際的存在感を増し、オンライン教育を組み入れたブレンディッド・ラーニングや反転授業といった新しい教授方法が伝統的な大学教育の学習観に変化を迫っています。確かに、時間や場所に制約されないICTは多くの可能性を有し、反転授業が学生の主体的学習を促進することが期待されています。
しかし同時に、ICTやインターネットの普及が学生の学びに影を落としてもいます。インターネットの登場によって、学生でも大量の情報へのアクセスが可能になり、いわゆる「コピペ」に代表される教育・学習上の剽窃が日常化する結果を招いています。それは同時に、本来学生に求められる学習プロセスが妨げられていることを意味します。イノベーションが放つ「光」には常に「影」がついてまわります。
本セミナーでは、高度情報化社会におけるICTの普及と活用という、すぐれて現代的な課題をテーマとし、国内外の大学教育におけるICT活用に関する理論と実践を踏まえ、その光と影をめぐって議論します。

チャプター2:グループワークの実践例

チャプター2では、教室授業でのグループワークについて紹介しています。平均すると150人ぐらいが受講する大規模な授業でもグループワークは可能です。5、6人で1グループを編成し、小さなグループをコントロールして進めていけば、誰もが頭を働かせ、授業に臨むことができます。
グループ作りでは、学年、性別をランダムにして編成しています。全員がほぼ初対面ですが、それを3回ぐらい続けると、だんだん仲良くなってきて、初対面の人でもうまくコミュニケーションする方法を獲得するという副次的な効果も得られます。
実習課題では、フリーライダーを作らないように役割を分担。細かく指定することで、怠ける人はほぼいなくなります。ディスカッション後は、グループ同士でプレゼンテーションしてもらい、ときには全員の前でプレゼンテーションをしてもらうこともあり、貴重な経験となっているようです。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成