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発達障害学生支援の現状と法が求める合理的配慮(チャプター3)

講師:青野 透(金沢大学)
実施日:2014.12.16 全44分 視聴数:3223回

講義の概要

高等教育の機会を広げ、学生に豊かな学習経験を与える上で、日本の大学が取り組んでいる課題のひとつに発達障害学生への支援があります。「大学及び高等専門学校は、発達障害者の障害の状態に応じ、適切な教育上の配慮をするものとする」と定めた「発達障害者支援法」成立から10年、昨年6月には「障害者差別解消法」が成立し、「社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的配慮をしなければならない」との規定を受けて、多くの高等教育機関で支援充実のための体制作りが急ピッチで進められています。本セミナーでは,金沢大学 大学教育開発・支援センターの青野透教授をお迎えし、大学教育の今を見つめ、大学を全ての学生がもっと自らの潜在的能力を引き出していく教育の場にするにはどのようにすべきか、という教育の本質的見地からの合理的配慮について考えます。

チャプター3:合理的配慮について

チャプター3では、国公立大学ならびに私立大学に求められる合理的配慮について述べています。入学者選抜では、大学の学習に必要な能力・適性等について公平に判定するための機会を提供しなければなりません。そこで問題になるのが、大学の学習に必要な能力・適性というのは一体何なのか、ということ。これについて、各大学は具体的に明示しているでしょうか。障害学生がいないことを前提に大学をつくってきた人間が持っている考え方、あるいはそれをもとにつくられている慣行、ルール、そういったものを見直すことが必要です。教育の本質、大学の学習に必要な能力・適性、評価基準といった課題について、大学ごとに、あるいは学部ごとに、場合によっては同じ科目を担当している講座の教員同士など、そういったレベルで議論を始めていかなければなりません。

カテゴリ: 学生支援力形成