シンポジウム「国際比較 ―学問の自由の動態と再構築」

【日時】2022年2月20日(日) 13:00~16:45
【開催形態】ZOOMによるオンライン配信
【定員】120名
【申込み〆切】2月7日(月) ※申し込みを終了いたしました。

【趣旨】
学問の自由は、大学における中核的理念であるとともに、民主的近代社会において守られるべき究極的価値である。しかし、この20年間、民主主義国家か否かを問わず、教員研究者・学生の学問の自由に対する侵害事例が広がるようになった。1999年にシカゴ大学で結成された「危機にある学者ネットワーク」(SAR)のデータでは、この10年間に110か国、1,954件の侵害事件が発生している。大学・教員研究者に対し、政府など外部から加えられる干渉・侵害はもちろんのこと、大学自身が所属教員の権利を侵害したり、学生が講演や授業を攻撃したり、大学の内部問題としても事件が発生するようになった。さらに、産学連携や大学ランキングも、学問の自由を抑圧する事例となっている。2020年7月には、国連75回総会には表現の自由の権利の保護と促進のために特別報告書が提出され、学問の自由の脅威と制限が表現の自由の権利も制限していると指摘している。最も懸念されるのは、頻発する学問の自由侵害に対する議論や批判がないことで、学問の自由の水準が低下し、教員研究者と社会が、自主規制する脳内リミッターが作られてしまうことである。
本シンポジウムは、科学研究費の補助を受けて4年間、憲法学、高等教育研究、歴史学、経済学の共同研究として進めてきた成果を広く公表し、議論を深めるためのものである。

【プログラム】
13:00~13:10 開催の挨拶・趣旨 研究代表 羽田 貴史
13:10~13:40 講演1 広渡 清吾(元日本学術会議会長)
0       「社会に対する責任としての学問の自由」
13:40~14:10 講演2 水島 朝穂(早稲田大学法学学術院教授)
0       「戦前日本の国家統制と学問-文部省思想局の憲法学説調査」
14:10~14:40 講演3 宮田 由紀夫(関西学院大学国際学部教授)
0       「アメリカにおける産学連携と学問の自由の課題」
14:50~15:20 講演4 栗島 智明(埼玉大学大学院人文社会科学研究科准教授)
0       「学問の自由保障の国際規範形成」
15:20~15:50 問題提起 羽田 貴史(広島大学・東北大学名誉教授)
0       「現代社会における学問の自由の課題」
15:50~16:40 招待参加者からのコメントと全体討議
16:40~16:45 閉会の挨拶(司会)

司会 松田 浩(成城大学法学部教授)
0   堀口 悟郎(岡山大学法学部准教授)

ポスター:シンポジウム「国際比較-学問の自由の動態と再構築」ポスター(PDF)

【主催】
学問の自由の動態と再構築に関する国際比較研究(科学研究費基盤研究B、2018-2021)グループ(代表:広島大学・東北大学名誉教授 羽田貴史)

【共催・後援等】
東北大学高度教養教育・学生支援機構、広島大学高等教育研究開発センター、日本高等教育学会、全国憲法研究会

【お問合せ先】
東北大学高度教養教育・学生支援機構運営サポート室
TEL:022-795-7551 E-mail:ieheoffice@ihe.tohoku.ac.jp