教育関係共同利用拠点提供プログラム 高等教育論 L-01
※ホームページ上の申込を締め切らせていただきました。当日参加歓迎
昨年12月「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育,大学教育,大学入学者選抜の一体的改革について」と題した中央教育審議会の答申が出され,大学入試は抜本的改革を迫られることになった。わが国の学制が整って以来,幾度となく入試改革は熱い議論の俎上に上り,様々な試みが繰り返されてきた。特に,この20年,大学入試は「多様化・多元化」へ向けた変革が進められてきた。しかし,今回の答申は従来の議論を大きく飛び越え,高等学校,大学そして大学入試を含む「一体改革」の中で,大学入試の在り方を根底から変える方針を示した。高校,大学の現場からは唐突と感じられる今回の改革の狙いは何なのか。改めて議論の整理を試みたい。
一方,具体的な施策の実現可能性について,当初からこれほど実現が危ぶまれている答申もかつてなかった。センター試験の廃止と2種類の新テスト導入,筆記試験だけによらない多様な方法を取り入れた大学個別試験の改革,等々,大学入試が今ある形と全く異なる姿となったとき,実際には何が起こるのだろうか。当事者である大学と高等学校は答申の改革提言をどう受け止めているのか。それぞれの立場から,この入試改革の行方について議論を重ねていく必要がある。
本フォーラムでは,基調講演者に中央教育審議会高大接続部会臨時委員として審議の経緯を目の当たりにしてきた京都大学土井真一教授と,国立大学協会入試委員会専門委員として国立大学の状況を熟知し,中央教育審議会高等学校教育部会・大学教育部会臨時委員も務められてきた大阪大学川島太津夫教授をお招きする。土井先生には中教審における議論の経過を踏まえてご自身の見解を,川嶋先生には国大協の議論の紹介を中心としたお話をお願いした。また,現場からの報告として,中教審でも改革事例として紹介された東北大学のAO入試を中心にした報告と高等学校の立場から大学入試改革への見方を紹介する報告を予定している。以上の講演と報告を受け,フロアからの意見を交えて討論を行う。
高等学校および大学の先生方,関係する方々の多くの参加と忌憚なき活発な議論を期待したい。
【プログラム】
Ⅰ 開会 開会の辞 里見 進(さとみ すすむ)東北大学総長
Ⅱ 基調講演1「中教審高大接続答申を読む―大学入試改革を着実に実現するために―」
京都大学大学院法学研究科 教授(元中央教育審議会高大接続特別部会臨時委員)
土井 真一(どい まさかず)氏
基調講演2「国立大学の入試改革の歴史と展望」
大阪大学未来戦略機構 教授(国立大学協会入試委員会専門委員,中央教育審議会大学教育部会臨時委員)
川嶋 太津夫(かわしま たつお)氏
Ⅲ 現状報告1『高校現場から見た大学入試改革』
福島県立福島高等学校 教諭 浜田 伸一(はまだ しんいち)氏
現状報告2『大学入試改革モデルとしての「東北大学型AO入試」』
東北大学高度教養教育・学生支援機構 准教授 倉元 直樹(くらもと なおき)氏
Ⅳ 討議
Ⅴ 閉会 閉会の辞 花輪 公雄(はなわ きみお)東北大学理事/東北大学高度教養教育・学生支援機構長
問合せ先:
東北大学 高度教養教育・学生支援機構事務室
TEL:022-795-7551 Fax:022-795-4815
E-mail:forum22@ihe.tohoku.ac.jp