イベント詳細
第125回正午PD会「顔は語る―レンブラントの自画像が残した問い」
日時:2025年10月21日(火)12:10~12:50
開催形態:オンライン開催
発表:尾崎 彰宏 教授
所属:東北大学 高度教養教育・学生支援機構 教養教育院
専門:美学・西洋美術史
概要:
レンブラントの自画像は、単なる自己記録や職業的宣言にとどまらず、自己を演じ、同時に他者へ問いを投げかける「劇場」であった。油彩・版画・素描を通じ九〇点を超える自画像は、顔を「ブランド」として市場に提示し、贈答や販売によって愛好家のネットワークに流通した。同時にそれは「レンブラントとは何か」を象徴する記号として機能したのである。晩年の《ケンウッドの自画像》《笑う自画像》《聖パウロに扮した自画像》は、「知・情・意」を体現し、画家としての到達点を示した。若き日の光と影の実験や、トローニーによる演技的探求も含め、自画像は鏡像と鑑賞者との共同制作であり、演じることを通して真実に迫る場であった。そこに沈黙と光のゆらぎが宿り、見る者はみずからの像を重ねざるをえなかったのである。その構造は現代の「自撮り」にも奇妙に響きあい、森村泰昌の実践が示すように、今日もなお「自分とは何者か」「他者とどう向きあうか」という問いを、私たちに突きつけ続けている。
参加申し込み:
機構教職員以外で参加ご希望の方は、下記問い合わせ先までご連絡ください。
問い合わせ先:
キャリア・社会連携支援センター 中川 学
E-mail:manabu.nakagawa.e2【a】tohoku.ac.jp ※【a】を@に置き換えてください

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