「PFFP/NFP 全国プログラムユーザ会議」の実施報告

2016年12月26-27日、2010年度から続いてきたPFFP/NFPの修了生が集い、
「全国プログラムユーザ会議」が開催されました。
「プログラムユーザ」とは、PFFP/NFPのプログラム参加者、つまり同窓生を指します。

全国プログラムユーザ会議の目的は、長期的視点でのプログラムの有効性評価です。
プログラム終了直後のアンケートのみではわからない遅行性の効果を検証しました。

  • ●現在から振り返ってプログラムをどのように認識・意味付けているのか
  • ●プログラムでの経験が現在の仕事にどのように活かされているのか

これらについて、プログラム修了後数年が経過した今、それぞれの就職先でどのように感じているかについて、率直に語ってもらいました。

当日は、13名のプログラム修了生が全国から集まりました。
その中から4名に、話題提供として「今、PFFP/NFPをふり返る」と題して講演をいただきました。

高等教育や大学教員に関する
信念に基づいて、
自信を持って働けること

高崎商科大学 非常勤講師
木内敬太さん

2011年度のPFFP修了生である木内敬太さんからは、「高等教育や大学教員に関する信念に基づいて、自信を持って働けること」がプログラムの一番の効果であったとお話しいただきました。木内さんは、現職の就職活動における採用試験においても、シラバスの提出が求められたこと、面接や模擬授業においてPFFPで実施したマイクロティーチングが役立ったことなどを実体験を交えて紹介してくれました。また、「経験と達成度、学生の評価と学問の葛藤、時間管理等、課題は尽きない」といった現状も報告されました。

PFFP
2011
修了生

大学の教員としての意識や
基礎的な知識等の素地が
欲しかった

湘北短期大学 専任講師
熊谷摩耶さん

2014年度のPFFP修了生である熊谷摩耶さんからは、当時のPFFPの受講理由として「大学教員の仕事内容は膨大で漠然としており、一人では把握しきれず、不安であった」「学生として研究者としてのキャリアはあるものの、大学の教員としての意識や基礎的な知識等の素地が欲しかった」「海外の大学事情を知ることのできるバークレー校への研修に興味があった」「プログラムを担当している教員の方々が魅力的だった」ことが挙げられました。また、プログラムの効果としては①大学教員に必要な問題意識、基礎知識、ツールなどを学べた、②女性研究者としての今後のキャリアを考えることができた、③他分野の研究者との出会い、つながりをはじめ新たな発見があった、④採用試験での積極的な姿勢、⑤授業プランを立てる際、迷いが生じた際の参考、⑥海外の大学事情を実見した経験、知識、教育観への影響を報告いただきました。

PFFP
2014
修了生

大学教育の多様性を理解し
リフレクションしながら
実情に寄り添った授業を設計できること

東北医科薬科大学 講師  佐俣紀仁さん

2012年度のNFP修了生である佐俣紀仁さんは、プログラムの影響・効果として「セルフリフレクションの習慣化」「授業の目的に沿った合理化」を挙げてくださいました。これにより、問題が発生した時に、自身と学生の双方における原因の整理とそれに基づく微調整が可能になったとの報告がありました。また、資格試験合格がミッションである教育メインの大学において教養教育を担う現職の実態、難しさ、それに対してどのようなモチベーションと姿勢で臨んでいるのかについて語っていただきました。「研究大学出身者にこそ、大学教育の多様な実情を知る」機会が提供されることの重要性について、ご自身の経験を交えてご指摘いただきました。

NFP
2012
修了生

学生に興味を持ってもらい
共に研究に取り組む関係性を育むために
授業設計において工夫できることとは

東北大学大学院農学研究科 准教授  野地智法さん

2013年度のNFP修了生である野地智法さんからは、NFPで学んだこととして①アクティブラーニング、②オムニバス授業の活用方法、③PBLの3点が挙げられました。優秀な学生に大学院に進学してもらい、研究者として育ってもらうための有効なきっかけとして、授業に注力することの重要性をご自身の日々の授業設計上の工夫を実例としてお話しいただきました。学生と困難を様々な乗り越えながら研究を遂行していくためには、関係性作りが大切であり、そのためにはまずお互いに興味を持ってもらうことが必要であると力説いただきました。

NFP
2013
修了生

ユーザ会議では、これら話題提供に引き続いて参加者全員でのディスカッション、個別インタビューを行いました。この様子は現在分析中です。今後はこれらの分析結果をもとにプログラムの有効性評価のための評価指標を開発することを予定しています。

さらなるプログラムの発展にご期待ください。

お忙しい中全国からお集まりいただきました参加者のみなさまに心から感謝いたします。ありがとうございました!

本ユーザ会議は「平成28年度機能強化経費(部局ビジョン)事業:専門性開発プログラムの有効性に関するユーザベース評価指標の開発」の一環として開催されました。