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2E教育の理念で発達障害のある学生の才能を活かす(チャプター1)

講師:松村 暢隆(関西大学名誉教授)
実施日:2022.12.17 全70分 視聴数:118回

講義の概要

文科省の「特異な才能のある児童生徒の指導・支援」に関する有識者会議の「審議のまとめ」が提出され、学校内外で実証研究等の取組が開始されます。才能と発達障害等を併せもつ「2E(トゥーイー)」(twice-exceptional)の子どもへの対応も、検証課題とされています。高等教育でも、発達障害のある学生への支援が進んできましたが、「2E教育」の観点から、合理的配慮の修学支援を超えた、学習・生活・就労等の総合的支援の可能性を探ることも有意義でしょう。才能や才能教育・2E教育の概念や実践の背景を押さえた上で、発達障害のある学生を2Eと捉え直し、2Eの学生が個別最適な学びの場で才能を発揮できる支援の在り方を考えます。

チャプター1:1.才能のある児童生徒の指導・支援①

チャプター1では、特異な才能のある児童生徒に対する指導・支援について、「特異な才能」とは何かを提示し、アメリカでの才能教育の考え方を紹介しています。
2022年、文部科学省の有識者会議から、特異な才能のある児童生徒への指導・援助に関する具体的な施策が示されました。「特異な才能」は、障碍を伴う才能ではなく、突出した才能を表す教育行政の用語として捉えておきましょう。アメリカでは、公式に才能教育が行われています。ここでの「才能」は、多様な領域固有の才能という意味であり、マイノリティ・貧困家庭にも公正に通常の教育課程を超えた指導・支援が必要とされています。特異な才能・ギフテッドは「突出した才能」に限定されるものではなく、プログラムが充実していれば、1〜2割の子にニーズがあると考えます。

カテゴリ: 学生支援力形成