PDP ONLINE

専門性開発プログラム(Professional Development Program)の動画配信を行っています。

2E教育の理念で発達障害のある学生の才能を活かす(チャプター3)

講師:松村 暢隆(関西大学名誉教授)
実施日:2022.12.17 全70分 視聴数:60回

講義の概要

文科省の「特異な才能のある児童生徒の指導・支援」に関する有識者会議の「審議のまとめ」が提出され、学校内外で実証研究等の取組が開始されます。才能と発達障害等を併せもつ「2E(トゥーイー)」(twice-exceptional)の子どもへの対応も、検証課題とされています。高等教育でも、発達障害のある学生への支援が進んできましたが、「2E教育」の観点から、合理的配慮の修学支援を超えた、学習・生活・就労等の総合的支援の可能性を探ることも有意義でしょう。才能や才能教育・2E教育の概念や実践の背景を押さえた上で、発達障害のある学生を2Eと捉え直し、2Eの学生が個別最適な学びの場で才能を発揮できる支援の在り方を考えます。

チャプター3:3.「困っている才能のある子」の認識・支援

チャプター3では、才能と発達障害等の障碍を併せもつ2E(2e: twice-exceptional、二重に特別な)の子の認識・支援について検討しています。
才能特性または障碍特性による困難を併せもつ才能のある子(2E)に対しては、才能面と障碍面の二重の支援が必要になります。文部科学省の有識者会議が行った調査では、才能に起因する困難として、①授業が簡単過ぎて退屈・苦痛(学習面)、②仲間とは難しい話が合わない(対人面)、③才能特性への無理解(教師の対応)、という3つの典型が示されました。才能によって困っている子への指導・支援の問題は大学生にも共通する問題です。才能を原因とした不登校(浮きこぼれ)についての認識を深め、個別最適な指導・支援を行うことが必要です。

カテゴリ: 学生支援力形成