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2E教育の理念で発達障害のある学生の才能を活かす(チャプター2)

講師:松村 暢隆(関西大学名誉教授)
実施日:2022.12.17 全70分 視聴数:66回

講義の概要

文科省の「特異な才能のある児童生徒の指導・支援」に関する有識者会議の「審議のまとめ」が提出され、学校内外で実証研究等の取組が開始されます。才能と発達障害等を併せもつ「2E(トゥーイー)」(twice-exceptional)の子どもへの対応も、検証課題とされています。高等教育でも、発達障害のある学生への支援が進んできましたが、「2E教育」の観点から、合理的配慮の修学支援を超えた、学習・生活・就労等の総合的支援の可能性を探ることも有意義でしょう。才能や才能教育・2E教育の概念や実践の背景を押さえた上で、発達障害のある学生を2Eと捉え直し、2Eの学生が個別最適な学びの場で才能を発揮できる支援の在り方を考えます。

チャプター2:2.才能のある児童生徒の指導・支援②

チャプター2では、「特異な才能」の定義についてさらに検討を進めるとともに、才能の特性把握における教師の役割について述べています。
「特異な才能」は、IQ等の値によって一律に定義することはできません。才能の定義は、特性把握の観点から「通常より優れた能力、創造性、強い意欲・熱中」と大綱的に述べるのが適切であり、才能の基準は、どんな領域・特性・程度の才能行動・特性を想定しているのか、具体的な取り組みごとに明示されることが望まれます。アメリカでは、多様な評価手段を組み合わせた才能行動の包括的評価が実践されていますが、気になる子が教室にいる場合、簡易な質問紙やチェックリスト等を手掛かりに才能の特性を知り、学校内外で連携した支援の場、あるいは教師自身の指導の工夫につなげていくことが大切です。

カテゴリ: 学生支援力形成