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日本の博士人材養成の現状と課題(チャプター2)

講師:川村 真理(文部科学省 科学技術・学術政策研究所)
実施日:2023.05.13 全53分 視聴数:60回

講義の概要

日本における博士課程入学者数は、2003年度にピークをむかえましたが、以後は減少しています。また博士号取得者についても主要先進国の中で低位の傾向にあります。博士人材には社会のあらゆる方面での活躍が期待されていますが、今後の日本の博士人材養成はどのような点に注視すべきなのか、修士・博士人材等の全国調査に従事された経験をもとにご講演いただきます。

チャプター2:政府による近年の博士人材政策

チャプター2では、この5年程度の政府の博士人材政策やその問題点を検討しています。
中央教育審議会等では、10年以上前から博士課程学生の処遇改善の必要性が提起されてきました。2021年3月に閣議決定された「第6期科学技術・イノベーション計画」では、博士後期課程学生の処遇向上やキャリアパスの拡大が目標として掲げられました。2021年には、科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業が開始されましたが、恒常的な制度として策定されたものではなく、5年間の時限プロジェクトであることからその影響は限定的であると言えるでしょう。そもそも進学支援は「学費、生活費、研究費」のフルコストとして策定する必要があり、現在の施策は量的にも質的にも大きな問題があると考えます。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成