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日本の博士人材養成の現状と課題(チャプター3)

講師:川村 真理(文部科学省 科学技術・学術政策研究所)
実施日:2023.05.13 全53分 視聴数:68回

講義の概要

日本における博士課程入学者数は、2003年度にピークをむかえましたが、以後は減少しています。また博士号取得者についても主要先進国の中で低位の傾向にあります。博士人材には社会のあらゆる方面での活躍が期待されていますが、今後の日本の博士人材養成はどのような点に注視すべきなのか、修士・博士人材等の全国調査に従事された経験をもとにご講演いただきます。

チャプター3:修士・博士人材調査からみる政策の課題

チャプター3では、修士・博士学生への全国アンケート調査から、その実態や学生たちの意見を紹介しています。
修士課程在籍者の21.2%が授業料減免措置を受けています。全体の約3割が「借入金あり」と回答し、その額は300万円以上の割合が45.2%と最も高く、借り入れ状況は2極化傾向にあります。博士課程への進学を増加させるための効果的な施策については、「博士後期課程での給与支給」、「産業界における博士取得者に対する給与等の処遇改善」などが挙げられました。
博士課程学生への調査では、博士課程修了時点で借入金のある割合は、直接進学、退職社会人で約半数となっています。博士課程修了後の就職先は約半数が大学で、特に人文・社会分野では非常勤講師、嘱託割合が高く、雇用形態が不安定で収入も低い傾向にあります。民間企業への就職割合が高いのは理学、工学分野となっています。博士課程への進学を増加させるための効果的な施策については、「博士後期課程での給与支給」が最も多く、研究教育等の活動と結びついた支援への希望が多く寄せられています。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成