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日本の博士人材養成の現状と課題(チャプター1)

講師:川村 真理(文部科学省 科学技術・学術政策研究所)
実施日:2023.05.13 全53分 視聴数:213回

講義の概要

日本における博士課程入学者数は、2003年度にピークをむかえましたが、以後は減少しています。また博士号取得者についても主要先進国の中で低位の傾向にあります。博士人材には社会のあらゆる方面での活躍が期待されていますが、今後の日本の博士人材養成はどのような点に注視すべきなのか、修士・博士人材等の全国調査に従事された経験をもとにご講演いただきます。

チャプター1:データからみる日本の博士人材のトレンド

チャプター1では、学校基本調査等のデータをもとに、日本における博士人材の昨今のトレンドを概観しています。
修士課程修了者の博士課程進学率は長期的に減少傾向にあり、2020年度には9.4%と過去40年間で半減しています。研究分野別では、理学系と人文系でおよそ半減しており、研究人材の不足等を招いています。一方で、社会人学生の割合は30年間で約20倍に増加していますが、現在実施されている博士人材に関する施策の大半は、修士課程からの直接進学者を対象としている現状があります。主要国では、博士学位取得者数、人口当たりの取得者数ともに増加傾向にあり、アメリカ、中国の博士学位取得者数は2000年からほぼ倍増しています。主要国中では、日本のみが2006年以降一貫して博士輩出数、輩出率ともに低下傾向にあり、科学技術力の低下が懸念されます。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成