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ポストコロナ時代と「大学」の〈時間〉(チャプター6)

講師:吉見 俊哉(東京大学)
実施日:2021.12.18 全72分 視聴数:482回

講義の概要

平成という時代は、大学改革が一過性のブームでなく常態化した時代でありました。大学設置基準の大綱化、大学院重点化や任期制の導入、評価制度、国立大学法人化といった一連の改革は、日本の大学・高等教育システムを大きく変動させました。数多くの課題が明らかになるなか、コロナ禍という予期せぬ事態はそれをより顕在化・深刻化させ、今や日本の大学は、変動どころか深い混迷のなかにあるとさえいえます。とはいえこうした混迷・困難の時代にあるからこそ、大学には自らの力で次代の大学像を検討することが求められるのではないでしょうか。そのためには、大学を「時間的存在」として捉え返すことが必要不可欠です。『大学は何処へ――未来への設計』(岩波新書)を下敷きに、未だ続く大学改革の先で、ポストコロナ時代の大学像を時間論的視座から展望していただきます。

チャプター6:第3世代の大学は地球人をつくる

チャプター6では、文系の衰退の問題を入口に、「学問が役に立つ」とはどういうことかを検討、未来の大学が成り立つための軸は何かについて述べています。
国立大学法人化の動きの中で文系学部の衰退が顕著になりました。そこにあったのが、文系学部は役に立たないという言説です。当たり前だと思っていることが全然当たり前ではなく、まったく違う価値観や世界観の中で生きていた時代について一生懸命学んできたのが人文社会系の学問です。現在の当たり前さに違和感を感じ、それを批判していく能力こそが、新しい価値の軸を創造するのです。
未来の大学の使命は、良き地球人をつくることにあります。そのためには、地球社会的な課題を発見し解決していく知とともに、新しい地球社会における地球哲学や地球史、地球美学といった知が必要です。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成