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学士課程教育における日本語リテラシーを考える(チャプター2)

講師:滝浦 真人(放送大学)
実施日:2022.04.23 全78分 視聴数:136回

講義の概要

現在多くの大学では、初年次教育や基礎ゼミナールのなかで、レポートや論文の書き方が指導されています。大学生が日本語で読み・書き・考えるスキルを身につけることは、現在の学士課程教育における重要な教育目標の一つであるといえるでしょう。「知る・読む・考える」ことに習熟しながら「書く」ことを学ぶ意義や面白さについて考えます。

チャプター2:1.まず考えたい:「日本語リテラシー」は何のために?(2)

チャプター2では、小中高で求められ続けてきた「主観的文章」と、大学入学以降に求められる「客観的文章」について比較検討しています。
小中高では「ありのまま」を書く「作文」、夏休みの宿題の定番「読書感想文」、何かの問題についての意見を書く「小論文」を書かされてきましたが、これらは一人称的文章、主観的文章ということになります。一方大学生になると、「報告文」や「説明文」など、「私」が退いた三人称文章、客観的文章が求められることになります。
高校までは、書き手の思いや考えを書く主観的文章、これに対し大学以降は、書かれる内容が書き手個人を超えるものとして、書き手が他人でも同じ結論になったはずという構えで、基本的に「事実」のみで構成する客観的文章を意識することが求められます。この点で、高校で始まった「論理国語」の授業は、大学での学びに繋がってくるものかもしれません。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成