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学士課程教育における日本語リテラシーを考える(チャプター3)

講師:滝浦 真人(放送大学)
実施日:2022.04.23 全78分 視聴数:113回

講義の概要

現在多くの大学では、初年次教育や基礎ゼミナールのなかで、レポートや論文の書き方が指導されています。大学生が日本語で読み・書き・考えるスキルを身につけることは、現在の学士課程教育における重要な教育目標の一つであるといえるでしょう。「知る・読む・考える」ことに習熟しながら「書く」ことを学ぶ意義や面白さについて考えます。

チャプター3:2.実践的検討:「自分ニュース」の試み(1)

チャプター3では、「自分ニュース」という実践について、文書の種類と「文体」という観点から解説しています。
私の「日本語リテラシー」の授業で最初に取り組むのが「自分ニュース」です。「自分ニュース」は、自分の身の上に起こったことを一人称の「私語り」ではなく、「ニュース」として書いてみる、いわば客観的な文章を書くための練習です。
「自分ニュース」の文章とひと口に言っても、5W1H+伝聞で構成される「TVニュースのスタイル」、感情・感覚表現を多用した一人称的レトリックの「感想文スタイル」、語彙レベルの高い漢語が目立つ「硬質文語体」などさまざまなスタイル(文体)が可能です。文体の違いは、何を伝えたいかの違いから生じるものであり、題材は同じであっても、文章としては別物であると考えます。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成