PDP ONLINE

専門性開発プログラム(Professional Development Program)の動画配信を行っています。

認知科学と学習の原理・応用(チャプター6)

講師:佐伯 胖(信濃教育会教育研究所長,東京大学名誉教授)
実施日:2013.10.08 全82分 視聴数:1764回

講義の概要

私たち人間は,家庭・学校・社会でさまざまな知識・技能を学び続けています。学校でよく学び,知識・技能をよく習得して深め,大学教員となり,新しい知識を創造し,その成果を学生に教える人々もいます。学習はあらゆる場面で行われていますが,教師も学生も,「人間の学習はどのような特徴があり,どのような方法をとると効果的に学べるのか」,あるいは,「どのような教育方法をとると,学習が効果的に進むのか」について,ほとんど知識がないままに行われています。特に,大学教員は勉強好きで,専門分野の思考形式や知識習得を容易に行ってきたために,簡単に新しい事実を呑み込めない学生の気持ちに気が付かないことが多いといえます。効果的な大学教育と学習を行うために,教員と学生にとって,認知科学は,はじめの一歩です。認知科学の第一人者である佐伯胖氏から,人間の学習はどう進むかについて学びます。

チャプター6:沐浴指導の実践例

チャプター6では、初めて赤ちゃんを産むお母さんへの沐浴指導を例に、YOU的かかわりの重要性を述べています。助産師の永田裕子さんは、産婦さんとの間に二人称的かかわりがなかったということに気付き、それを回復させるためにいろいろな工夫をしたことを修士論文にまとめられました。
二人称的かかわりの大切さを踏まえ、永田さんは、赤ちゃんの情動に注意を向け、赤ちゃん-母親-看護師が三角形を成す三項関係、「共同注視」的関係で赤ちゃんを見る。そして赤ちゃんを名前を付けて呼びかける対象として見るということを指導しました。赤ちゃんに親しく話しかけ、赤ちゃんの身になって、赤ちゃんが言って欲しそうなことを代わりに言う。二人称で徹底的にかかわってみることで、母親としての成長を楽しむようになり、自信を持った生き生きとした母親になって退院していったということです。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成