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「学問としての教育学」と教育の未来〜学び/公教育の構造転換に向けて〜(チャプター1)

講師:苫野 一徳(熊本大学)
実施日:2022.10.22 全82分 視聴数:513回

講義の概要

「よい」教育とは何か?教育学はいかに「科学」たりうるか?さまざまな現場に「役に立つ」実践理論や方法をいかに開発しうるか?これらの問いに力強く答え抜く教育学の構想を土台に、これからの教育の構想を具体的に考えていく。

チャプター1:学問としての教育学について

チャプター1では、教育学を高度な総合学問、応用学問とするために必要なメタ理論の構築について概観しています。
再現性を担保することのできる物理学などとは異なり、一回性の高い現象を扱うことの多い教育学は、長らく「二流学問」というそしりを受けてきました。哲学的には、そもそも教育とは何か、どうあれば「よい」と言えるのかについて、ほとんど探求さえされていません。実践的には、教育学は実践や政策に役に立つのか、という疑念を向けられることもあります。これが、私が考える教育学の根本問題です。個別理論がコンピュータのソフトウエアだとすると、メタ理論はOSに相当します。教育学を高度な総合学問、応用学問とするには、教育学を構成する哲学部門、実証部門、実践部門のそれぞれについてメタ理論を解明し、メタ理論体系を構築することが必要です。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成