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「学問としての教育学」と教育の未来〜学び/公教育の構造転換に向けて〜(チャプター5)

講師:苫野 一徳(熊本大学)
実施日:2022.10.22 全82分 視聴数:105回

講義の概要

「よい」教育とは何か?教育学はいかに「科学」たりうるか?さまざまな現場に「役に立つ」実践理論や方法をいかに開発しうるか?これらの問いに力強く答え抜く教育学の構想を土台に、これからの教育の構想を具体的に考えていく。

チャプター5:哲学部門のメタ理論

チャプター5では、哲学部門のメタ理論について、「自由の相互承認」と「一般意志」という2つの原理をもとに検討しています。
ルソーが提示した「一般意志」とは、みんなの意志を持ち寄って見出し合った、みんなの利益になる合意を意味します。この合意のみが社会の正当性の根拠であり、目指していくべき指針原理でもあります。自由に生きるには、何がしかの力(教養=力能)を得ると同時に私たちの価値観や感受性の中に相互承認の感度が育まれていなければなりません。これを育むために、公教育はあります。『公教育の本質は、「各人の<自由>および社会における<自由の相互承認>の<教養=力能>を通した実質化」として、またその政策の正当性は<一般福祉>として定位される』。これが、哲学部門のメタ理論です。この原理は、「公教育=教育学の構想指針原理」とも言うことができます。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成