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日本の科学研究力失速の現状とその要因(チャプター2)

講師:豊田 長康(鈴鹿医療科学大学・三重大学名誉教授)
実施日:2021.08.07 全84分 視聴数:297回

講義の概要

大学の研究教育力を反映する論文数は、経済成長の原動力であるイノベーション力と密接に関係します。しかしながら長らく「選択と集中」を進めてきた結果、日本の論文数は惨憺たる状況にまで低迷したのが実態です。研究教育力の充実には、研究時間を確保した研究従事者数および大学研究資金の確保が必須であり、競争力ある大学の層を分厚くする必要があります。日本の科学研究力失速の現状とその要因を明らかにし、今後の日本の取るべき方策について検討します。

チャプター2:日本の科学研究力の失速(2)

チャプター2では、2004年を境に日本の論文数が減少し、同時に質(注目度)の競争力も急速に低下していることについてデータを基に解説しています。
2004年を境に日本の論文数は減少し、人口当り論文数で30位以下となり、質の競争力においても急激に低下し、注目度指標で40位以下となっています。研究への負の影響は、量の減少よりも質の低下の方が鋭敏と言えます。
近年、国際共著率が増加し、この国際共著論文の増加が論文数のデータベースに反映されているため整数カウント数や被引用数からだけでは、最近の研究力を評価することが困難になっているとはいえ、従来主要分野であった理工系や基礎生命系が大きく失速する一方、臨床医学は2020年以降論文数が増加しています。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成