人間総合科学教育開発室

概要

 たとえば東北帝国大学で大正末から昭和初年に教鞭を執った哲学者E.ヘリゲルが阿波研造範士のもとで修行した弓術は、人文科学を基にした世界認識と肉体運動の結果が結局は一体であることを示した。その『日本の弓術』(岩波文庫)にある「的が私と一体になる」とはつまりメルロ・ポンティの「指向弓」である。斯様に知性と感覚、感受性と運動の一体が過去や未来などの世界を作っているのならば、人間は、歴史学を中心とした人文科学と運動生理学との観点から、総合的に研究され教育されなければならないとするのが本室である。

 

 「学問は歴史に極まり候事に候」(『答問書』)と荻生徂徠が述べるように、諸学の根本あるいは統括者として人文科学の歴史学は極めて重要である。文献資料のみならず造形資料をも実証的に扱い、経済・経営学も視野に入れ、日本列島のみならず懸軍万里の思いで海に火輪を転じ陸に汽車を輾らし遠く異朝を訪い諸大陸をも対象にしつつ、しかしあくまで本朝と本学を基軸とする。また時間の源流である古代と、それが今にぶつかる近世・近代をこそ本室の重点としたい。

 

 一方、身体の生理と運動を通じての世界認識と他者の了解および他者との協同こそが、スポーツであり武道である。授業でのその実践を通しての「健康の維持増進とその知識の提供」「コミュニケーション能力の改善」および「武道の精神の伝承」が学生に対する本室の責務である。同時に人生の生活基盤(健康・コミュニケーションなど)を維持するための普遍的な教育を行い、以て長年にわたりこの世界のことを考えこの世界で活躍し続ける人材を輩出することを本室の目的とする。

中央アジアのウズベキスタン共和国のアムダリア右岸にあるギリシア・クシャン系都市カンピール・テパ発掘現場〜向こうにアフガニスタンを見遣る 

中央アジアのウズベキスタン共和国のアムダリア右岸にあるギリシア・クシャン系都市カンピール・テパ発掘現場〜向こうにアフガニスタンを見遣る

『東北大学百年史』全巻

『東北大学百年史』全巻

スポーツ科学教育室

柔道の授業風景

研究・教育活動

[1−1]人文・社会科学系教養教育に関する調査・研究・実践

①ユーラシア大陸におけるヘレニズム文明の美術考古学的研究。中央アジアのウズベキスタン共和国におけるギリシア・クシャン系都市カンピール・テパの発掘調査。西洋中心史観、中華史観等に囚われないユーラシア大陸からみた相対的史観の研究と教育。

②国際的な現代社会における経済学・経営学の観点からの研究と教育。

③日本近世における儀礼・年中行事の政治文化史的研究。自校史教育の比較研究とその実践。

④日本近世における兵学に関する政治思想史的研究。日本思想史の視点を生かした、特に知識人と政治の関係を軸にした東北大学史の研究と教育。

[1−2]人文・社会科学系教養教育に関する教育活動およびカリキュラム開発

考古学、美術史、日本史、日本思想史、東北大学の歴史、基礎ゼミ、展開ゼミ、TGLコア科目等の全学教育授業を担当。全学/G30/ IPLAの講義としてJapanese Art HistoryやHistory of Art in Ancient EurasiaおよびHistory of Tohoku University等担当。

 

[2−1]運動生理学の観点からの研究

文部科学省科学研究費補助金「短時間・低強度運動時の脳活動とメンタルヘルスの関連」

東北大学におけるスポーツ科学の目標は人生の生活基盤を形成する一助となることである。近年はストレス社会であり、在学中も卒業後も身体の健康はもちろん精神の健康維持も重要な課題である。スポーツ科学教育室では身体の健康の維持増進と「こころ」の健康との関連に注目し研究を行っている。この研究は毎日少しでも、またできる範囲で運動を継続することの意味を検証するものである。東日本大震災において被災された方々の「こころ」の健康の維持にも役立てたい。

[2−2]運動生理学の研究成果の授業への展開

①全学教育「基礎ゼミ」「展開ゼミ」「スポーツA」「スポーツB」「体と健康」「生命と自然」担当

②学会および学術誌において研究・論文発表

③日本理学療法士協会など 講演

④大学教育支援センターにおける教員教育プログラムの開発

 

[3]PDの企画・実施

   本学教員の研究・教育の交流などを目的としたPDを企画・実施。

教員の紹介

  教 授 芳賀  満 (ユーラシア大陸考古学)
 室 長 准教授 藤本 敏彦 (運動生理学)
  准教授 中川  学 (日本近世史)
  助 教 高橋 禎雄 (日本思想史)

お知らせ

現在、本室からのお知らせはございません。

研究室所在

〒980-8576 仙台市青葉区川内41

高度教養教育・学生支援機構